2021.01.12
2.暗号資産取引所の口座開設
前回の「1.暗号資産とは?」では、暗号資産の正体について見ていきました。今度は、暗号資産を取引するための暗号資産取引所の口座開設について見ていきます。
暗号資産取引所を選ぶポイント
暗号資産取引所は、暗号資産業界において最も競争が激しい分野です。現在世界には1,000以上の暗号資産取引所が既に存在し、日本だと24の暗号資産取引所が存在しています。
問題は、どこで暗号資産を取引すればよいのかということです。ここまで選択肢がありすぎると、人間はかえって選べなくなってしまうものです。
以下のポイントで選ぶと、ある程度絞ることができるでしょう。
1.自分が暗号資産に関する知識があるかどうか
もし、ご自身に暗号資産に関する知識がまったくないという場合、まずは日本の暗号資産取引所のみを使ってみることを強くお勧めします。
日本の暗号資産取引所は、法律で顧客資産の分別管理が義務付けられており、万が一資産流出事件が起きたとしても、顧客に全額返金できるようになっています。
また、日本の取引所では、取り扱われている暗号資産の種類は非常に限定的ですが、業界の自主団体により厳しい審査を通過した暗号資産のみが取り扱われているため「暗号資産で資産が99%なくなった」という最悪の事態は避けることができます。
2.取引したい暗号資産があるかどうか
暗号資産は、きちんとしたものから既に電子ゴミになっているようなものまで、数多くの種類が存在しています。暗号通貨について調べられる有名なサイトの1つに、時価総額ランキングサイトのCoinMarketCap(コインマーケットキャップ)があります。CoinMarketCapには5,783種類の暗号資産が掲載されています(2020年7月23日時点)。
CoinMarketCapをはじめ、暗号資産のランキングサイトで、どの暗号資産がどこの取引所で扱われているかを調べることができます。
例は、特に日本人投資家に人気があるXRPをCoinMarketCapで検索した場合になります。BinanceやHuobi Globalなど、国を問わず様々な暗号資産取引所で扱われている事がわかります。
また、日本の暗号資産取引所のみ取り扱われている暗号資産を調べたい場合、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧を見ると簡単に調べることができます。
そもそも、自分が取引したい暗号資産が何か決まっていない場合、まずはビットコインの取引からはじめてみると良いでしょう。その場合は、法律により顧客資産がきちんと保護される日本の暗号資産取引所を使うことを強くお勧めします。
3.流動性があるかどうか
暗号資産取引の最も重要なことが、自分が買えるか・売れるかということになります。
暗号資産取引所では、必ずしも暗号資産を在庫しているわけではありません。多くの場合、暗号資産を買いたい人と売りたい人をマッチングしているだけになります。
つまり、暗号資産の取引で自分が買えるということは誰かが売ってくれているということであり、自分が売れるということは誰かが買ってくれているということです。さらに突き詰めると、自分以外の誰かが多い取引所ではないと、自分の売買注文がそもそも成立しないということです。そのため、流動性がない取引所は絶対に使ってはいけません。
暗号資産取引所の流動性の大きさについては、先程紹介したCoinMarketCapの取引所のランキングより、ボリューム(取引高のこと)の値が参考になります。ボリュームの値は大きければ大きいほど良いです。もし、日本の暗号資産取引所のランキングだけ見たい場合は、CoinGekoの取引所ランキングが参考になることでしょう。
暗号資産取引所の口座開設
暗号資産取引所の口座開設は難しくありません。ネット証券を登録したことがある人であれば、おそらく迷うことはないでしょう。
取引所ごとに口座開設の勝手が微妙に異なるため、ここでは日本の暗号資産取引所の大まかな流れについてだけご紹介します。
1.申し込む
暗号資産取引所のサイトの申し込みページから利用申込みします。
取引所によっては新規登録キャンペーンをやっている場合があるので、申込み時に一緒に確認をしておくと良いでしょう。
2.本人確認を済ませる
利用申込みをしたからといって、取引所がすぐに使えるようになるわけではありません。
不正取引やマネーロンダリングを防止するために、本人確認が必要になります。ハガキによる本人確認のほか、最近ではスマートフォンのアプリを使ったオンライン認証ができるようになっています。本人確認には、運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書が必要になります。
オンライン認証を利用した場合、申込みから1日以内に暗号資産を取引することができるようになります。
3.日本円を入金する
本人確認まで終われば、あとは日本円を入金すると取引ができるようになります。
取引所によっては、指定のネットバンキングを使っていると手数料が無料になる場合があるので、必要に応じてネットバンキングも新規に開設しておくと良いでしょう。
まとめ
- 暗号資産取引所を選ぶポイントは「自分が暗号資産に関する知識があるかどうか」「取引したい暗号資産があるかどうか」「流動性があるかどうか」になる
- どの暗号資産がどの暗号資産取引所で扱われているか、どれだけ流動性があるかは、CoinMarketCapやCoinGeckoなどの暗号資産のランキングサイトで調べることができる
- 暗号資産に関する知識が乏しい場合、まずは日本の暗号資産取引所の利用からはじめてみる