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1.暗号資産とは?

このトピックを読む方は、これから暗号資産について触れてみようという方が多いかと思われます。そして、少なくとも暗号資産にネガティブな印象をお持ちの方も少なくないことでしょう。
そこで、この記事では「暗号資産とは何か?」ということを交えながら、ネガティブな原因となっていることについてを含め、見ていきます。

暗号資産に対する不安の正体

よく暗号資産について「実物がないから不安」という方がいます。はたして、不安の正体は本当にそこにあるのでしょうか?

まず暗号資産のお話に入る前に、皆さんにとって最も身近な日本円の送金について考えてみます。

最近は、以前よりもだいぶ決済手段が増えました。政府のキャッシュレス政策の後押しもあり、クレジットカードやなんとかペイ、ネットバンキングを以前より使う機会が増えました。これらに共通していることは、単に数字をやり取りしているというだけになります。そこには現金の実物を介していません。

よくよく考えてみると、今や日本円の送金ですら多くの場合は実物がありません。では、多くの方が暗号資産の何に不安に思っているのかというと、「暗号資産のことをよく知らないから不安」これに尽きるのではないでしょうか。

よくらないから不安であれば、単純に知れば良いだけです。

暗号資産とはブロックチェーンを使った残高証明

ここからやっと暗号資産の話に入っていきます。暗号資産とは、単にブロックチェーンを使った自分の所有権の証明になります。

早速、何を言っているのかわからないですよね!? つまりはこういうことです。

「自分が、ビットコインを100 BTC持っているのは、絶対的に確かである。ゆえに自分は100 BTCを持っている。」といった感じです。

これは銀行の預金口座ととても良く似た話になります。銀行の金庫には、預金者が預けた日本円がまるまる入っているわけではないというのは聞いたことがあるかと思います。

でも、実際には「自分の預金は銀行によって100万円持っていることが絶対的に確かになっている。だから自分は100万円持っている。」ということが成り立ちます。

暗号資産もこれとまったく一緒です。

暗号資産では、銀行がやっていることをブロックチェーンという技術によって、そして独自の通貨単位で行っています。その先駆けとなるのが、皆さんがご存知のビットコインになります。

しかし、ビットコインでは日本銀行のような通貨の管理組織は存在していません。それでも通貨の仕組みが成り立っています。これにはブロックチェーンという技術があるからです。

暗号通貨の信頼性はブロックチェーンという技術が担保

暗号資産を支える技術の根幹はブロックチェーンになります。ブロックチェーンがどのような仕組みかを理解することにより、暗号資産に対する不安がある程度取り除かれることでしょう。

早速、ブロックチェーンが何かということになるわけですが、ブロックチェーンを一言で表現すると「信頼性を技術によって担保することができる仕組み」になります。

先程の銀行の例を出してみましょう。あなたが第三者に送金をする場合に銀行を利用するとします。なぜ銀行を使うかというと、銀行という組織が自分の残高や総金額をごまかすことはないし、最終的には確実に相手に送金をしてくれるからです。

つまり、今までの送金は銀行という第三者による信頼性の担保があったからこそ成り立っていたということになります。ブロックチェーンを使った暗号通貨の送金では、このような信頼性の担保をブロックチェーンという技術そのもので実現します。

なぜ、ブロックチェーンが信頼できるのか?それはブロックチェーンが改ざん不可能で、しかもシステムが停止することがないからです。

ブロックチェーンは、ブロックと名がつく通り、ブロックが連なる形でデータが記録されています。ブロックの中には、いくつもの取引履歴が入っていて、その積み重ねが、自分の残高や送金の確実性を担保しています。ブロックだとわかりにくいので、身近な例を出すと、支払伝票が入った箱が封をされ、どんどん積み重ねられるようなイメージになります。詳しくは省きますが、ブロックチェーンでは、過去にさかのぼってブロックの中身を開封して、その内容を改ざんさせるには恐ろしいほど手間がかかり現実的ではありません。

さらには、ブロックチェーンでは世界中に散らばったコンピューターが同じデジタル台帳を管理しています。ビットコインの場合、公表されているデータで10086ノード*1(2020年7月22日時点)にものぼります。ブロックチェーンの内容を改ざんするには、これらのコンピューターにあるすべての取引履歴を改ざんする必要があります。

また、1ノードでも存在する限り、そのブロックチェーンは動作し続けます。もし、ビットコインを停止させようとしたら、世界中に散らばる10086ノードすべてを潰さなければいけないため、現実的にビットコインを停止させることはできません。

システム運用の観点からみると、ビットコインは残高や取引履歴が改ざんできないし、停止もしない、とてつもなく優秀なシステムになります。

*1 ノードとは、システムを構成するそれぞれのコンピューターのことを差します。

暗号資産は危なくないのか?

ここまで見てきて、暗号資産はブロックチェーンという信頼性がある技術で成り立っているため、暗号資産がある程度信頼できるものであることがおわかりいただけたかと思います。

しかし、まだ懸念がある人は多いことでしょう。その原因は、日本の暗号資産取引所のコインチェックやビットポイントでも発生した、暗号資産の流出事件であることでしょう。

暗号資産は、暗号という名がつく限り、暗号技術が使われます。暗号資産を指定したアドレスに送金する場合には、秘密鍵を使い電子署名をします。電子署名がよくわからない場合、秘密鍵は預金通帳のハンコだと思ってください。ハンコをついたら送金できる。それを電子的にやっているのが暗号資産の送金です。

この秘密鍵さえあれば、誰でも暗号資産を自由に送ることができてしまいます。コインチェックやビットコインの流出事件とは、秘密鍵がハッカーに渡り、取引所が意図しない不正送金が行われたものになります。

つまり、暗号資産の流出事件とは、単に秘密鍵の保管方法が悪かったという問題であり、暗号資産の仕組みそのものが危ないというわけではありません。

日本では、最近これらの事件がきっかけとなり、暗号資産取引所の規制が強化されたため、以前よりは秘密鍵の流出事件は起こりづらくなりました。さらに、法律で顧客資産の分別管理が義務付けられているため、万が一流出事件が起きたとしても自分の資産は失われないようになっています。

また、暗号資産の価格がほぼ無価値になってしまうことを懸念される方がいます。

暗号資産の多くがベンチャー投資の性格を持ちます。一般的に、ベンチャー企業が倒産する確率は起業5年で85%といわれており、暗号資産投資そのものは非常にハイリスクな行為になります。そのため、統計的に見たら暗号資産の価値がなくなる方のは当たり前といえます。日本では、業界団体の自主規制により、そのようにならない暗号資産のみが取引所で扱われています。

このように、暗号資産の仕組みそのものは安全ですが、秘密鍵の保管不備による資産喪失やベンチャー投資特有のリスクはつきまとうのは事実なので、ある程度の知識がないと結果的に資産を失ってしまいます。暗号資産を扱うためには、知識をつけることは絶対的に必要な条件です。

では、どうすればよいのかは、このサイトを継続的に見ることにより、知識を得ることができますので、ご安心ください。

まとめ

  • 暗号資産は、ブロックチェーンと呼ばれる技術で成り立っている。
  • ブロックチェーンは、信頼性を技術によって担保することができる仕組みである。
  • 暗号資産は、秘密鍵を使うことにより送信できる。
  • 暗号資産を扱うためには、秘密鍵の保管方法や、価格変動リスクに対する知識が必要になる。