2020.07.03
今夏、オーストリア国内2,500以上の店舗で暗号資産を利用・決済できるようになることがわかった。2日、暗号資産決済サービスなどを手掛けるSalamantex(サマンテックス)が発表した。
今回のサービスはSalamantexが同国最大の通信事業者「A1」が提供する「A1 Payment」を導入したことで、大規模な暗号資産決済に対応できるようになったという。
A1は昨年同システムを導入し、7店舗で暗号資産決済を可能にした。各店舗では、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ダッシュ(DASH)、ライトコイン(LTC)、リップル(XRP)、ステラ(XLM)などの銘柄で暗号資産決算が可能だ。
Salamantexは、「すでにこの数ヶ月間で支払いシステムの検証は済んでおり、高いセキュリティ基準を満たし、クレジットカード決済のように安全に利用できることから、デジタル世代のユーザーのニーズに対応している」と説明している。
今回のサービス拡大は同サービスの需要増加に伴い対応した格好だ。
オーストリアは日本同様、現金体質が強い国で、キャッシュレスの分野においては他国に比べ遅れをとっているという。
しかし新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が可能な限りキャッシュレス決済へ切り替えるよう求めたことで環境に変化が生まれつつあるようだ。
キャッシュレス決済と同時に、暗号資産決済の需要も高まっているという。
SalamantexのCOOであるMarkus Pejacsevich氏は、「我々の目標は何年も前から親しんできたクレジットカード決済のように、デジタル通貨での支払いを簡単かつ自然なものにすることだ」と述べた上で、「暗号資産を受け入れるということは富裕層の顧客を開拓することにつながる」と語った。
また、A1のビジネスマーケティングの責任者であるMarkus Schreiber氏も「Salamantexのソリューションを統合することで我々のサービスに暗号資産決済というオプションを加えることが可能となった」と語り、お互いにとって理想的なパートナーシップとなったと述べた。
Salamantexは周辺諸国でもサービスを展開できるよう計画を進めているという。