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MetaのデジタルウォレットNoviがWhatsAppに実装 米国ユーザーが対象に

米Meta(旧Facebook)のデジタルウォレット「Novi」が8日、同社系列のメッセージアプリ「WhatsApp」に実装されたことを発表した。このパイロット版は米国ユーザーが対象となる。

これまでNoviプロジェクトを率いてきたDavid Marcus氏が発表した。同氏は2019年、当時Facebook(現メタ)が手がけていたステーブルコインプロジェクト・リブラ=Libra(現ディエム=Diem)の共同設立者の一人。ただし、リブラはその後、米国含む各国の金融当局との議論が長引き、事業化が困難な状況になっていた。

リブラは当初、カリブラ(Calibra)と呼ばれるウォレットが利用される計画だったが、デジタル通貨の設計から見直し、名前もリブラからディエムに、ウォレットもカリブラからNoviにリブランディングをされた。

Noviは現在、米パクソス(Paxos)社が開発・運営するステーブルコインのパックスドル(Pax Dollar=USDP)を米国(アラスカ、ネバダ、ニューヨーク、および米領バージン諸島を除く)とグアテマラにおいて送金サービスを手数料無料で提供している。

元より、MessengerやWhatsAppといったMeta社傘下のアプリでも利用可能にする予定とアナウンスしていた。

WhatsApp上でのNovi導入サービスはパイロット版であり、最初は米国のみで行う。ユーザーからのフィードバックを得て他国でのサービスを随時検討していく予定だ。現在、アプリをアップデートすれば、WhatsApp内のチャット内で通過を送受信できるようになる。グアテマラのユーザーは、スタンドアロンのNoviアプリからトライアルに参加できる。

USDPはローンチから3年以上の実績があり、規制や消費者保護の面で重要な特性を持つ。米ドルに裏付けられており、準備金として100%現金同等物が保有されている。カストディ(管理)は暗号資産(仮想通貨)取引所 Coinbase(コインベース)が行っている。

今後、Noviが規制当局の承認を得ることができれば、ディエムの決済ネットワークに移行する予定だ。Marcus氏によると、国際的な規制当局とは協議を継続中としている。

なお、Marcus氏は1日、Metaを年内で退社することを表明していた。後任はNoviの製品担当責任者のStephane Kasrie氏が担うことになっている。

画像:Shutterstock