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オーストラリアの退職年金基金が暗号資産への投資を検討

オーストラリアの大手退職年金基金「Rest Super」が、暗号資産(仮想通貨)への投資を検討していることが明らかになった。23日に行われた同基金の年度総会議で、CIO(最高投資責任者)を務めるAndrew Lill氏から方針が伝えられたという。Business Insider Australiaなどが報じた

Rest Superは468億ドル(約5兆4,000億円)の運用資金と180万人のメンバーを抱える大手退職年金基金だ。オーストラリアでは公的に暗号資産投資へ関心を示した年金基金はなく、Rest Superが初の例となる。

23日の総会で、Lill氏は総会会員に対して、基金ポートフォリオの一部が近々暗号資産に投資される旨を伝えた。Rest Superは暗号資産のボラティリティの高さや危険性も理解したうえで、慎重なアプローチをとっていくという。

Lill氏は総会で、「(暗号資産投資は)非常にボラティリティが高いものであるため、あくまでもポートフォリオを分散させるためにまず少額から始まるだろう」とコメントを残した。

さらにLill氏は、「暗号資産は将来的に我々のポートフォリオにとって非常に興味深く重要な部分になるだろう。インフレが続く時代の中で、(暗号資産は)良い投資になる可能性を秘めている」と述べている。

同氏は暗号資産投資がインフレに対するヘッジの手段として有効であると考えているとみられる。

その一方で、同基金の広報担当者がBusiness Insider Australiaに伝えたところによると、暗号資産投資に本腰を入れるのはまだ先の話になるという。

ただし、中期的な視点で暗号資産への投資が慎重に検討されているとされ、「暗号資産投資に関するいかなる決断も下す前に、アセットクラスを詳しく調査している段階だ。暗号資産に投資するにあたり、セキュリティ面や規制面を検討している」ことが伝えられた。

オーストラリアでは、退職年金基金の暗号資産投資に関しては様々な姿勢が取られている。オーストラリアの大手退職年金基金であるQueensland Investment Corporationは、暗号資産へのポートフォリオ分散の可能性を否定している。

画像:Shutterstock