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ベネズエラ、10月にCBDC発行を発表 デノミ実施も

ベネズエラの中央銀行であるベネズエラ中央銀行が、今年10月1日より中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)を発行すると発表した。5日、同行が公式Twitterで明らかにした。

https://twitter.com/luchaalmada/status/1423255095928659970

ベネズエラ中央銀行の発表によると、10月より同国の法定通貨「ボリバル」をデジタル化した「デジタル・ボリバル」を導入すると発表。日常の取引を簡素化するため、発行時には同国民にCBDCの積極的利用を奨励した。

またデジタル・ボリバル発行の際には、通貨単位を切り下げるデノミネーション(デノミ)を行い、6つのゼロを削減するとのことだ。

ベネズエラがデノミを行ったのは2017年から3度目となる。2018年には5つのゼロを削減するデノミを実施している。Bloombergの報道によると、ベネズエラのインフレ率は深刻で、この1年の間に2725%も上昇するなど、ハイパーインフレの様相を示している。

国内ではドルが最もよく利用されているが、バスの運賃や政府補助金を得ているガソリンスタンドでの支払いなど一般生活の取引にはボリバルが必要となっている。

以前、ベネズエラは米国の制裁を回避するためのツールとして、2018年に石油を裏付けとするデジタル通貨「ペトロ」を発行したことがある。公務員の給料、ボーナス等で使用されたが、一般では広く流通しなかった過去があるだけに、CBDCの発行が成功するか不透明な部分が残るとの声も出ている。

ベネズエラの首都カラカスを拠点とする大手企業のエコノミストであるLuis Vicente Leon氏は、「ゼロを取り除くことで、一時的に取引がしやすくなるかもしれませんが、通貨に対する不信感や、現地の生産に裏付けられていない巨額の公共支出など、不安定な状況の根本的な原因を解決することはできません」とデノミ政策に疑問を呈した。また同氏は、CBDCの発行と同時にデノミを行うことで、会計システムや決済システムの桁数に変化が生じ混乱を招くのではないかと指摘した。

画像:Shutterstock