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暗号資産業界の大物マカフィー氏、スペインの刑務所で死亡

米PCウイルス対策ソフト「McAfee」で知られるPCソフトウェア関連企業McAfeeの創設者であるJohnMcAfee(ジョン・マカフィー)氏が、23日にスペインの刑務所で死亡していることが確認された。75歳だった。海外の複数のメディアが報じた

スペイン・バルセロナの警察筋によると、刑務所当局が首を吊っているMcAfee氏を発見したという。McAfee氏は死亡後の検死の結果、他殺の証拠が発見できなかったため自殺と判断された。

McAfee氏は2014年から18年にかけて1000万ユーロ(約13億円)以上の所得を他人名義の銀行口座や暗号資産(仮想通貨)取引所の口座に振り込ませ、税務申告をしなかったとして米国で起訴されるなど、複数の罪状で国際手配されていた。その後、2020年10月にスペイン・バルセロナ空港で身柄を拘束され、勾留されていた。

McAfee氏はNASA、ゼロックス、ロッキードでキャリアを積んだ後、1987年に世界初の商業ベースのウイルス対策ソフトを発売した。

McAfee氏はMcAfee社を2011年にインテルに売却したが、同社のウイルス対策ソフトは現在でも世界中で約5億人のユーザーが利用している。

同氏はビットコイン愛好家と知られ、他の暗号資産についても、ICOのプロモーションを行うなど積極的に活動をしていた。時にはビットコインに対して否定的な発言もしていたが、McAfee氏は暗号資産で相当な額の富を築いていたと言われている

米国の司法当局によると、McAfee氏は講演活動などから得た数百万ドルの収入を意図的に申告おらず、不動産、ヨット、車などの資産も他人名義で所有していたことも発覚している。

米国の司法当局は、McAfee氏についてスペインに送還を求めていた。これを受けてスペインの裁判所は23日の朝、McAfee氏の米国への送還を承認したが、同氏はその数時間後、自殺に至ったという。

McAfee氏の弁護士は「彼は、長年もの間、刑務所に勾留されることを恐れていた」と今回の自殺について述べた。米国で行われている裁判において判決が下された場合、最大で30年の禁固刑が言い渡される可能性があったという。

画像:Shutterstock