月間暗号資産

  • HOME
  • NEWS
  • 英国中央銀行、CBDC発行に向けてタスクフォースを発足

英国中央銀行、CBDC発行に向けてタスクフォースを発足

英国の中央銀行であるイングランド銀行と英財務省が、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の可能性や課題を検討するための組織を設立した。組織名は「CBDC Taskforce」と名付けられた。19日、イングランド銀行が発表した。

Taskforceとは、緊急性の高い特定の課題に取り組むために設置される特別チームのことを指す。今回は、イングランド銀行と英財務省が CBDC を検討する際に、それぞれの法定目的に沿った戦略的なアプローチを採用し、両者間の緊密な連携を促進することを目的としている。

このTaskforceでは、イングランド銀行の金融安定化担当副総裁であるJon Cunliffe氏と、財務省の金融サービス担当局長であるKatharine Braddick氏が共同議長を務める。

両者は、現状CBDCについて「イングランド銀行が発行し、一般家庭や企業が利用できる新しい形態のデジタルマネーとなる」「CBDCは、現金や銀行預金に取って代わるものではなく、それらと共存するものである」と定義した。

政府とイングランド銀行は、同国にCBDCを導入するかどうかについてはまだ決定していない。導入する場合を想定し、メリット、リスク、実用性について、幅広いステークホルダー(利害関係者)に意見を聞く予定だ。

今回のTaskforceでは以下のことを検証する。

  • 英国におけるCBDC発行の目的の模索、想定される機会とリスクを調査する
  • 我々の目標を達成するために、CBDCの設機能の評価
  • CBDCの総合的な利用機会の、厳密で一貫性のある審査のサポート
  • 英国がグローバル・イノベーションの最前線に留まることを確実にするために、世界各国のCBDCの開発の動向をする

以上を調査しながら、他の英国省庁とも連携するという。

またイングランド銀行は同日、Taskforceと並行して同銀行内にも、CBDC関連の独自のエンゲージメントフォーラムと技術フォーラムを設立したと発表した。

エンゲージメントフォーラムは、CBDCの設計・導入・運用における実用的な課題を理解する上で立ち上げられた。英国内におけるCBDCのユースケースや機能的なニーズ、CBDCのシステムにおける官民の役割、金融・デジタルインクルージョンの検討、データとプライバシーの影響などの問題を検討する。このメンバーは、金融機関、市民社会グループ、ビジネスユーザー、消費者等から選ばれるという。

一方、技術フォーラムではステークホルダーの参加協力を得て、CBDCの開発にあたり技術的側面に焦点を当て、多様な専門性と視点から意見を収集する。

CBDCの技術的な課題を解決する上で金融機関、学者、フィンテック企業、インフラプロバイダー、テクノロジー企業など、様々な分野からイングランド銀行が招聘し課題を検討する予定だ。

画像:Shutterstock