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集英社、ブロックチェーンで「ONE PIECE」などのマンガアートを販売

「週刊少年ジャンプ」などを発行する集英社は1日、新たにマンガアート販売の新事業を開始することを発表した。

この新事業は「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」として立ち上げられ、マンガ作家の画業に新たな光を当て、その作品に「美術品」としての永続的な価値を与える新しい取り組みと説明している。

立ち上げの背景として、集英社はこれまで多くのマンガ作品を世の中に送り出してきたが、子供達がお小遣いで買えるマンガという娯楽が今や国内外の美術館や博物館に展示される存在になってきていることを指摘。そういった状況で、未来に向けてマンガを保存し、受け継いでいくことが重要との考えにいたったことから、取り組みのひとつとして「マンガアート」の越境 EC である本事業を立ち上げたという。

今回の新事業立ち上げに伴い、まず尾田栄一郎氏の「ONE PIECE」、池田理代子氏の「ベルサイユのばら」、坂本眞一氏の「イノサン」の3作品の販売を開始する。

マンガアート「Real Color Collection」A1サイズ見本
引用元:集英社

また、集英社は約束事として以下3つを挙げた。

  • FINE ART PRINTING QUALITY
  • ART BLOCKCHAIN NETWORK GUARANTEED
  • WITH NATIONAL MANGA ARCHIVES

「FINE ART PRINTING QUALITY」では、集英社が提供する作品は週刊や月刊というサイクルで描かれているため、作品カラー作画の多くに染料系のインクが使われ、非常に退色や劣化が起きやすいという問題点を指摘。その問題を解決するため、同社では2008 年よりカラー原画の高精度デジタルスキャン~撮影を行なっており、今回の事業ではこのアーカイブを使用して耐光性のあるインクを用い、保存性の高いコットン 100% の用紙にプリントをするという。

2点目の「ART BLOCKCHAIN NETWORK GUARANTEED」では、作品の品質を担保するために各プリント作品のエディションは5~20枚に限定すると説明。その際、ブロックチェーンを活用したアート作品の評価・流通インフラを構築するスタートバーン社が提供するブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」を採用し、作家と版元の真正性を保証する。

そして「WITH NATIONAL MANGA ARCHIVES」では、紙の原画が抱える整理・保存・運用の課題を受け、マンガのデジタルアーカイブとマンガアートの作品販売を進めると同時に文化庁連携事業であるマンガ原画アーカイブセンターや、学術機関・美術館とも連携し、協力していくと説明した。

集英社は、「この事業を通じてマンガを愛する人々の中で、『受け継がれていくべきアート』として作品が継承されると同時に、世界のアートマーケットの一端を担う、マンガアート市場の創造を目指していきます」と抱負を述べた。

画像:Shutterstock