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デジタル人民元、中国・蘇州での大規模実験迫る

中国・蘇州で予定されているデジタル人民元(DCEP)の実証実験がまもなく開始される。

4日の蘇州市の発表によると、今回も深センで行われた1回目の実証実験同様、抽選に当選した市民に対して200元(約3,000円)が配布される。

しかしその規模はより大きなものとなり、2000万元(約3億1,800万円)が10万人に配布される予定だ。

抽選は5日から6日までの間に申し込みをした市民に限定され、11日に結果が発表される。配布されたデジタル人民元の使用期限は11日20時から27日24時まで。

深センで行われた実証実験では当選者5万人のうち95%が配布されたデジタル人民元を使用していたが、今回はその数値を上回る可能性がある。

今回のデジタル人民元が配布された翌日は中国で大型セールが行われる「双12」にあたり、同国で毎年11月11日に行われる「独身の日」に匹敵する規模のイベントが控えている。

今年の独身の日では、中国最大手のECサイトであるアリババ(Alibaba)で1日の売り上げが4,982億元(約8兆円)に達するなど、非常に大きな経済効果を生んでいる。

アリババがここまで売り上げを伸ばした背景としては、新型コロナウイルスの影響で中国国民が旅行等を控え、いわゆる「金余り」が生じていたことが要因の1つに挙げられる。

双12においても同様に大きな消費が見込まれており、実証実験用のデジタル人民元は無償で配布されることから、非常に多くの市民が抽選に申し込んだものとみられる。

また今回の実証実験で目玉とされているのが、デジタル人民元のオフライン決済機能だ。

中国網の報道によると、このオフライン決済機能を使用することができるのはデジタル人民元の配布がされた市民のうち1,000名に限定されるとのこと。

オフライン決済機能を搭載することで、すでに国民に広く浸透している「Alipay」や「WeChat Pay」などとの差別化を図る狙いがあるとみられる。

画像:Shutterstock