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IBMのブロックチェーン技術、岩手銀行と実証実験

岩手銀行はブロックチェーン技術を活用し、マイナンバーカードとスマートフォンによる電子契約の実証実験に、IBMのブロックチェーン技術「IBM Blockchain Platform」を採用したことを発表した。12日、プレスリリースで明らかにした。

岩手銀行は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、急速に需要が高まっているペーパーレス、押印レス、非対面ビジネスへの社会的ニーズに対応するため、政府が普及促進を進めているマイナンバーカードを活用し、幅広い顧客に簡単で確実な電子契約環境を提供することを目指しているという。

住宅や自動車などの個人向け融資、同行に口座を持つ個人客や取引先の法人間の賃貸借契約や請負契約などを対象に実証実験するという。IBMのブロックチェーン技術は、こうした電子契約のセキュリティ確保のために使われる。

また、法人から権限を委任された銀行担当者が専用アプリを起動したスマートフォンにマイナンバーカードをかざすなどして本人確認した上でアプリを操作すると、融資などの契約が簡単にできる仕組みを作る予定だ。

銀行側も融資に関する金銭消費貸借契約証書の保管や返却が不要になるほか、実印と照合する必要もないため、コストを削減できるメリットがあるという。

日本IBMは2017年から岩手銀行とブロックチェーン技術の活用について共に取り組んでおり、今回の電子契約に関する実証実験においても、構想策定からシステム構築、運用までを支援する。

日本IBMは、今回の岩手銀行との実証実験について「ブロックチェーンは、対改ざん性や契約当事者のみの秘匿性保持をより効率的に行うことができ、また、スマートコントラクトにより、契約内容検証や業務フローの自動化の可能とするなど、電子契約業務に適した技術です」と述べ、「岩手銀行は、電子交付サービスについてはすでにブロックチェーン技術を活用しており、今回の実証実験は、電子書類の署名付与にマイナンバーカードを利用する方式を検証するものです」と実験の意図をリリースで述べている。

今後、IBMと岩手銀行は11月から21年3月にかけてシステムを構築し、4月から9月に実際の利用状況を想定した検証をする。

画像:Shutterstock