2021.01.20
米銀行大手Bank of America(BofA)の調査で、暗号資産(仮想通貨)ビットコインがあらゆる金融遺産の中で最も取引された金融資産であることがわかった。19日、ロイターが報じた。
この調査はBofAがファンドマネージャーなどを対象に毎月行っているもの。
調査結果によると、最も投資された金融資産は「ビットコインのロング」で、1位になるのは2017年12月以来となる。調査全体で見ても、「ハイテク株のロング」関連が1位から陥落するのは2019年5月以来、約1年半ぶりだ。
また調査によると、投資家のほとんどが世界経済の成長の見通しについて強気な姿勢を示しており、回答したファンドマネージャーの大多数が「強気サイクルの初期段階である」と答えたという。
2022年にかけて世界的なインフレが進むと答えた回答者も92%にのぼっていることから、各国で金融緩和が継続され、金融市場にさらなる資金流入があると見込んでいる投資家が多いようだ。
一方で、金融市場に不安を与えるリスクとしては「ワクチン関連の問題」が多くを占め、回答者の30%が危惧している旨を答えた。
現在、米国や英国でワクチンの摂取が進められているが、投資家はこの効果次第では再び市場が弱気に転じる可能性があると先行き不透明感を強めていることがわかる。次いで、「FRB(米連邦準備理事会)による買い支えの縮小」が29%、「ウォール街のバブル崩壊」が18%と続いている。
大統領就任が近づいている米民主党のバイデン氏は200兆円規模の経済対策案を打ち出しており、国民1人あたり1400ドル(約14万5,000円)の現金給付などを実現しようとしている。
そういった経済対策による資金流入に期待してか、BofAに回答した5000億ドル(約51兆8,000億円)相当の資産を運用する投資家の19%がポートフォリオにおいて多くのリスクオン資産を抱えているという。
今もなお過去類を見ない水準で推移している暗号資産市場だが、世界的な金融緩和によるインフレ化を予想する投資家が非常に多いことから、さらなる資金流入の可能性は十分にある。
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