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ビットコイン、FOMC後に反落 市場では方向感の見えない動き

日本時間13日夜に発表された11月の米CPI(消費者物価指数)は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比ベースで過去1年において最も低い伸びとなった。11月のコアCPIは前月比0.2%の上昇となり、市場予想の0.3%を下回った。これにより米国における利上げペースが鈍化するとの観測が投資家間で拡大。金利が低下し、グロース株を中心に買いが入った。

また、13、14両日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、主要政策金利を0.5%引き上げることを決定した。前回までの4会合連続で続けてきた0.75%から利上げペースを鈍化させた。

それでも、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は記者会見で、現在進めている積極的な利上げは「終了に近づいてはいない」との見解を示した。その上で、来年1月31日から2月1日に開かれる次のFOMC会合の利上げ幅は今後入手するデータ次第だと発言した。

利上げペースについては、0.5%継続と0.25%への減速両方の可能性を残すとともに、FOMCが来年にも政策を反転させる可能性があるという市場の期待感に釘を刺した格好だ。

パウエル議長は、「インフレ率が持続的な形で2%に低下していると委員会が確信するまでは利下げが検討されることはない」と述べ、「物価安定を回復させるには、景気抑制的な政策スタンスを当面の間維持する必要がある」と続けた。

FOMCの発表前の段階では、金融市場はFF金利が来年5月に4.8%程度に達し、年の後半に合計0.5ポイント引き下げられると予想していた。

米株式市場では早期の利上げ打ち止めに期待感が膨らんでいたが、パウエル議長の発言を受け失望売りと利益確定の売りが入った。NYダウ平均は前日比142.29ドル(0.42%)安の33,966.35ドル、ナスダックは前日比85.93(0.76%)安の11,170.89、S&P500は前日比24.33(0.61%)の3,995.32で終えている。

暗号資産(仮想通貨)市場でもCPI発表後に急騰する銘柄目立った。その後、日本時間15日未明に利上げペースの減速が示されると、ビットコイン(BTC)は約1ヵ月ぶりの高値となる1万8000ドル(約246万円)まで戻した。

アルトコインにおいても、イーサリアム(ETH)をはじめ多くの暗号資産が価格を伸ばしたが、株式市場と同様にFOMCの金利政策発表後に利確の売りが先行した。ビットコインは記事執筆時点で17600ドル(約240万円)ほどを推移している。

FOMCのタカ派発言を受け、再び方向感が見えない状況になりつつあると言える。年末にかけては株式市場と同様、暗号資産においても手仕舞い売りがみられる可能性があるため、市場の動向を注視する必要があるだろう。

画像:Shutterstock

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