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エルサルバドル国民、約80%が「ビットコインに対し公費を使うべきではない」と回答

エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領が主導して実施されたビットコインの法定通貨化に対して、国民の約60%近くが反対し、さらには約80%が「ビットコインに対し公費を使用するべきではない」と考えていることがわかった。ホセ・シメオン・カニャス・セントラル・アメリカ大学(UCA)の世論研究所(IUDOP)が公表した調査結果によって明らかになった。

今回の調査はエルサルバドルがビットコインを法定通貨として認めてから1年余りが経ったことを受けて行われた。調査期間は先月7日から27日で、1,269人の成人が対象となった。

調査ではまず、61.3%がビットコインを法定通貨として導入する政府の決定に反対していることが明らかとなった。さらに、ビットコイン法の施行から1年経った今、65.5%が「失敗」と判断し、「成功」と見なしたのは16.5%にとどまった。

昨年、同研究所が実施した調査では、回答者の約71%がビットコインをドルに次ぐ第2の法廷通貨として定めることに賛成していることが明らかになったが、実際の取引には「ドルを使用する」と回答が多く、約76%が「2022年に購入や支払いにビットコインを使用しない」と答えていた。

この結果を踏まえ、UCAは今回の調査結果についても想定の範囲内だったとしている。

エルサルバドルではビットコインの法定通貨化に加え、暗号資産(仮想通貨)推進特区「ビットコインシティ」の建設計画が立ち上がるなど、様々な動きがみられている。一方で、ビットコインシティの建設費等に充てることを目的に発行する予定のビットコイン債については、地政学リスクの上昇等を理由に立ち止まっている。また、今年に入りビットコイン価格が低調であることも国民の不信感を募らせる原因になっていると考えられる。

UCAの調査では、77.1%が「公費を使用してビットコインを購入し続けるべきではない」と答えたようだ。報告書では、「これらの結果は、エルサルバドルの国民が現政府の推進する経済政策と、国内でそれを促進するために取られた政府の決定に対して、非常に批判的な意見を持っていることを示している」と指摘している。

こうした回答の背景には、家計に関する実情があるという。調査によれば77.2%が「ビットコインが法定通貨になってから状況がまるで変わっていない」と答えたようだ。

UCAのアンドリュー・オリバ学長は「この調査はブケレ政権にとってビットコイン関連政策が最も不人気なものであり、最も批判され、最悪の評価を受けているものであることを示している」と述べている。

画像:Shutterstock

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