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欧州議会、PoW銘柄禁止案を反対多数で否決 MiCAは次の協議フェーズに移行

14日、欧州議会(European Parliament=EP)の経済金融委員会において、暗号資産(仮想通貨)に関する規制法案「暗号資産市場法案(MiCA=Markets in Crypto-Assets)」に盛り込まれたビットコインをはじめとするPoW(プルーフ・オブ・ワーク)銘柄を禁止する条項が否決された。

投票は6名が棄権した上で、23対30で反対派が多数となり否決された形だ。その後、PoW銘柄を禁止する条項を含まないMiCA法案の採決が行われ、31対4、棄権23票で賛成が圧倒的多数となり、承認された。

この枠組みは欧州連合(EU)における暗号資産の発行や取引に透明性を与えるものだ。また、市場操作対策、マネーロンダリング対策、テロ資金提供予防対策やその他犯罪活動防止対策も含まれている。MiCAは今後、正式な法制化に向け欧州議会らによる協議のフェーズへと移行する。

今回否決されたPoW銘柄を禁止する条項については先月末に報じられ、暗号資産業界を中心に反発の声が挙がっていた。その後、先月末に行われる予定であった採決は延期され、同時にPoW銘柄に関する条項は削除された。

しかし、14日の採決の直前に再度類似した条項が盛り込まれたことが判明。万が一可決された場合、欧州連合圏における暗号資産取引をはじめとした関連ビジネスに大きな影響を与える可能性があったため、今回の結果を受け安堵の声が広がっている。

PoWはビットコインや主要アルトコインなどで用いられているコンセンサスアルゴリズムで、大量の電力を消費することから、環境面に与える影響が危惧されている。環境問題への取り組みを推し進める欧州議会にとって、まさにPoW銘柄の取扱いは喫緊の課題であると言えるだろう。

なお、PoW銘柄を禁止する条項は否決されたものの、暗号資産マイニングによって生じる二酸化炭素を削減する条項については盛り込まれる予定で、2025年1月1日までに立法案を取りまとめ提案するよう求められた。

この条項では、実質的にマイニングを締め出す可能性も懸念されており、今後も欧州連合圏におけるPoW銘柄を巡る動きは注目を集めるものとみられる。

画像:Shutterstock