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米上院議員、デジタル人民元規制に関する法案を提出

米国上院議員のビル・キャシディ(Bill Cassidy)氏とマーシャ・ブラックバーン(Marsha Blackburn)氏ら9名は9日、米政府機関に中国のデジタル人民元(中央銀行デジタル通貨=CBDC)の規制に関する法案を提出した。市民のプライバシーの監視や、現在ロシアに対して行われている経済制裁措置の回避に使われることへの懸念から行った模様だ。

今回提出された法案は「シルクロードに反対する法案(Say No To The SilkRoad ACT)」と名付けられたもの。中国共産党(CCP)のデジタル人民元に新たな規制とガイドラインを設ける。

ブラックバーン氏は「中国のデジタル人民元を放置すれば、ロシアはSWIFT排除という制裁措置を逃れることができる。さらに中国共産党は市民を監視し、脅すことができる。それは自国民のみならず相手のユーザーに対しても同じだ。提出する法案は米国に対しデジタル人民元に関する多くの情報を提供し、新しい悪の枢軸の責任を追及するものになる」と述べた。

法案の内容としては、国務省に対してデジタル人民元に関する警告を発表するように要請するもの。商務長官にブロックチェーン基軸のサービスやネットワークについて議会の委員会に報告し、その報告に関して勧告を行うことを義務付ける。また、デジタル人民元に関する貿易的な執行措置について報告するように要求する。

さらに、通称代表部に対しては、デジタル人民元が貿易、投資などに与える影響について検討、報告することを要求する。行政管理予算局に対しては、デジタル人民元を譲渡、保管、使用する機関向けの規制、利用基準、そのガイドラインを策定するように要請する。

これまでもデジタル人民元が米ドルへ与える影響に関しては議論されてきている。世界の基軸通貨たる米ドルになんらかの影響を及ぼし、それが世界の金融システムに強いインパクトを与え、不安定化につながるといった懸念が取り沙汰されている。

画像:Shutterstock