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米銀行発行のステーブルコイン「USDF」の実用化に向け動き

米国の銀行が発行するステーブルコイン「USDF」の実用化を目指し、米国連邦預金保健公社(FDIC)に認められた金融機関らが組合「USDF Consortium」を結成したことが明らかになった。プレスリリースを通じて12日に発表された。

今回結成されたUSDF Consortiumの初期加盟行には、ニューヨーク・コミュニティ・バンクやNBH銀行、First Bankなどの銀行をはじめとして、Figure TechnologiesやJAM FINTOPなどのフィンテック企業も含まれる。

同コンソーシアムは米ドルに裏付けられたUSDFの受け入れや互換性を改善することで、ブロックチェーン上での規制に準拠した価値移転や金融システム内の摩擦の抑止を推進する計画だという。また、同コンソーシアムの加盟行は今後も追加される予定だ。

米ドルに裏付けられたステーブルコインはすでに暗号資産(仮想通貨)市場に存在しており、Tether社が発行する「USDT」やCircle社の「USDC」などが広く利用されている。

USDFは他のステーブルコインと同様にブロックチェーン上で発行されるが、USDFの場合は発行元が銀行である点が強みだという。

また、USDFは今回結成されたコンソーシアムの初期メンバーであるFigure社が開発したブロックチェーン「Provenance」上に構築され、FDICによって支援される加盟行のウォレット間で取引が可能になる。

さらに、ノンバンクから発行されるステーブルコインとは異なり、USDFは銀行が発行するため、預金保険の対象になるという点も消費者にとっては大きなメリットだ。つまり、USDFはコンプライアンスや消費者保護の観点でより安全で使用しやすいものだと言える。

暗号資産やブロックチェーンの受け入れが拡大するなか、ステーブルコインの包括的な規制は1つの課題として掲げられてきた。

今回のように銀行が主体となってステーブルコインの導入に関する動きを見せることで、こうした課題の解決につながることが期待される。

画像:Shutterstock