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韓国、暗号資産課税の開始を2023年まで延期

韓国の国会企画財政委員会は11月29日、暗号資産(仮想通貨)の利益に対する課税を2023年まで延期することを承認した。2日、韓国メディア・聯合ニュースなどが報じた

暗号資産税への課税は、株式投資に対する同様の資本利得課税よりも1年先行して実施されることになっている。さらに、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産に関する法的定義が曖昧であるにも関わらず、課税を先行して行うことに対して疑問の声が挙がっていた。

韓国ではICO(イニシャルコイン・オファリング)が多く行われていた2017年に暗号資産税の導入を検討していた。

現在、世界各国で暗号資産取引によって生じた利益に対する課税を行うため、法整備が進められている。

オーストリアでは、来年3月から暗号資産の利益に27.5%の税金をかけ、他の資産と同等の税率にする予定だ。

また米国では、暗号資産はすでに他のキャピタルゲインと同じ税率で課税されているが、新しい法律により、実際に税金が支払われているかどうかを確認するための報告義務が強化されている。

一方、韓国では、暗号資産の税率や水準は、国内の証券に対するものとは異なるものだ。

当初の課税法案では、年間250万ウォン(約23万円)以上の利益を得た者に20%の税金を課す内容に対し、野党議員らは、5000万~3億ウォン(約470万円~約2,800万円)までの利益に対して20%、3億ウォン以上の利益に対して25%の税率を課すという改正案を作成。

また、当初の計画では、2022年に暗号資産への課税を開始する一方で、他のキャピタルゲインへの課税は2023年まで待つことになっていたため、一部のトレーダーから批判の声が上がっていた。

暗号資産に対する法的定義や投資家保護が明確ではない時期に、先に税金を課すのはおかしいという意見などといった意見が寄せられていた。

税制案を批判し、金融規制当局の退陣を求める請願書は、25日間で20万人超の署名を記録。専門家からは、1年の猶予期間中に、NFTや未上場暗号資産などについても議論を深めるべきだという指摘も上がっている。

画像:Shutterstock