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ビットコイン、米国時間で価格を伸ばし660万円突破

ビットコインはここ数日間、もみ合いが続き、5万4000ドル台(約612万円)ほどまで下落したものの、14日の米国市場時間で一気に回復。5万8000ドル(約658万円)を超えた。1ヶ月では20%以上の上昇となる。

株式市場や先物市場では見られない光景だ。ビットコインだけは金融市場から完全に切り離されていると言える。

米国では13日、FRB(米連邦準備理事会)のボウマン理事が会見。来月にもテーパリング(量的緩和の縮小)実施を支持するとの見解を示した。開始時期は21年11月から12月半ばで実施される見通しだ。現在、新型コロナウイルス感染拡大による経済回復を目的に月間1200億ドル(約13兆6,000億円)の資産を購入し、ここ数ヶ月のインフレ目標率が2%以上になっている。物価上昇でインフレ、最悪の場合スタグフレーションの懸念も持ち上がっている。金融引き締めが必要との声も上がりつつある。

次回FOMC会合は11月2~3日を予定しており、金融当局による行動は織り込み済みと見ることができる。テーパリング開始時期も想定範囲内だろう。市場が動揺に至るネガティブサプライズとなる可能性は低い。

一旦発表されてしまえば金利の上昇は過去の話となり、未来を見据えて動くのが金融市場だ。13日はナスダックのハイテク株は幅広く買われたが、ニューヨーク市場は金利関連株を中心に売られた。

その一方、暗号資産市場を代表するビットコインの価格は一気に高騰。5万3000ドル台から5万6000ドル(約635万円)を回帰し、市場を終えた朝には5万8000ドルを付けた。量的緩和の終了に伴い、株価は下落するという見通しを立てたヘッジのための買いが入ったと見られている。

また、5万9000ドル(約669万円)付近にある大きなレジスタンスを前にした調整で下落したとの見方もあり、安価になったところで買いに走った個人投資家も多かったと見られている。

ビットコインの週足

大きなレジスタンスを超えるには一時的に価格が下がことも度々見受けられる。人間も大きく上にジャンプするには一旦膝を曲げなければならないが、それと同じだ。一方通行のチャートの形は過去に1度もない。そのため、価格の下落は大きなレジスタンスを超えるための準備とも言える。

10月に入り好調に推移しているビットコインだが、ここにきて6万ドル(約680万円)台へ向けて本格的に動き出したと見て良いだろう。

さらに今回は、アルトコインも追随して上昇する動きを見せた。

来月頭に年度イベント「Ripple Swell Global」を控えるリップル(XRP)も大きく上昇。この時期は毎年上昇傾向を見せるが、今年は比較的落ち着いた推移が続いていた。

またビットコインとは逆の動きを見せていたオーエムジー(OMG)も追随して大きく上昇した。前日まで見せていたアルトドレイン現象は解消されていると言える。5万9000ドルのレジスタンスを超えれば上値付近での壁は特に見られない未知の空間が広がる。最高値更新を見据えたビットコインの動向を引き続き注視する必要があるだろう。

画像:Shutterstock