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韓国、暗号資産取引への課税を来年にも実施へ

韓国の洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は6日、暗号資産取引への課税制度を2022年から実施する予定であると明らかにした。同日、The Korea Timesが報じた

日本の財務省に相当する企画財政部は暗号資産取引で1年間に250万ウォン(約23万円)以上の利益を得た者に20%の分離課税を課すことを計画している。当初は10月1日からの実施予定であったが、業界からの反発の声が挙がったこともあり3ヶ月延期していた。

洪長官は「施行がさらに延期されることは、政策に対する国民の信頼を失うことになる。法制度の安定性を損なうことにつながる」と述べた。実名のアカウントや、暗号資産取引所が監視するユーザーデータに基づいた課税インフラはすでに構築されており、税務報告の準備も整っていると主張した。

韓国では3月に施行された特定金融情報法(特金法)の改正が行われ、マネーロンダリング防止対策の一環のため、暗号資産取引所が銀行と提携し、ユーザーの実名口座を開設するなどの体制を整えることが課せられるようになった。

さらに、政府に事業登録の申請をし、ライセンス登録することが義務付けられた。登録には、情報セキュリティ認証「ISMS」の所得、入出金が実名確認できる口座開設の確認、役員の法令違反がないこと、など条件が課せられた。しかし登録期日であった9月24日までにライセンスを所得できない業者が続出。60以上の取引所のうち、半数以上は韓国金融情報院(KoFIU)への登録に必要な認証を受けておらず、営業停止や廃業に追い込まれることになっている。

韓国は暗号資産取引を行う国民が多いことで知られている。一部ユーザーからは今回の処置に対して「韓国の暗号資産活動を委縮させるもの」と批判の声も上がっていた。しかし、暗号資産を取り巻く法律を含めた環境整備構築の速さは目を見張るものがあり、世界からも注目されている。

一方でNFT(非代替性トークン)に関しては、韓国ではまだ「暗号資産」として分類されておらず課税対象とならない見通しだ。ただ、金融監督院の鄭恩甫(チョン・ウンボ)院長は7日、国会監査の場でNFTの規制計画について、「金融情報分析院(FIU)や他の行政機関とも協議して、規制の抜け道を塞ぐために行動する」と述べた。

画像:Shutterstock