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暗号資産市場、パウエル議長の「禁止するつもりはない」発言で上昇

1日の東京株式市場は下落。前々日は日銀による701億円のETF買いが入り一時的に持ち直し、さらに前日には下落を牽引していた日本郵船などに信用売買の規制を掛けるなど、価格維持の策を取られた株式市場。

しかし、自民党において岸田文雄総裁が就任するや税率を上げることを検討していると報じられ、米国ではインフレ高進や、予算をめぐる与野党の膠着でデフォルト(債務不履行)への懸念が高まり、主要株価3指数が総崩れ。S&P500は新型コロナウイルスの世界的感染拡大以来の大幅な下げを記録した。

日本市場では朝から久しぶりに「ヒンデンブルグオーメンが点灯。同サインは米市場の下落を予兆するもの。滅多にサインが点灯することはなく、あてにならない声も挙がるが大手ファンドにおける自動売買などのアルゴリズムに採用されていることが多く、市場に影響は少なからず出る。

市場が開くと外資投資銀行が日経225先物のオプションを中心にショートを仕掛けたのを始まりに、前日は買われていたポスト関連銘柄や日経225銘柄を中心に広い範囲で株式が売られ2%の下落。日経225先物は一時600円を超える下げ幅が見られた。

世界で下落する金融市場を余所に暗号資産(仮想通貨)は高値を付けている。10月は元々高値を付けやすいと言われていたが、それに拍車を掛けたのが米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長だ。7月の公聴会で「デジタルの米国通貨があればステーブルコインも暗号資産も必要ない」と発言し、業界にた衝撃を与えたが、30日の公聴会では「言い間違えた。そういう(中国のように暗号資産の使用を禁止する)つもりではなかった。暗号資産をその文から抜き取らなければならない」と発言し「暗号資産を禁止するつもりはない」と続けた。ただ現在は法規制の外にあり、規制が適用されるべきだと繰り返した。

この発言を受けビットコインは一時4万4000ドル(約490万円)まで上昇し、現在も同水準を保ったまま推移している。

最近になって暗号資産を巡ってはポジティブ材料が続いている。SEC(米証券取引委員会)のゲンスラー委員長がビットコインETFを支持する見解を示し、SBIグループ傘下のVen Capitalが約84億円規模の暗号資産特化型のVCファンド設立を発表、また大手カード決済会社VISAが中央銀行デジタル通貨と他の暗号資産を相互運用を可能にするプラットフォームを提案、米ミズーリ州で全世帯に11万円相当のビットコインを配布することが実現の可能性など、市場に好感されるニュースが相次いだ。4万2800ドル(約476万円)が下値の強力なサポートラインとなっており、直近上値の抵抗線4万3600ドル(約484万円)を超え、200日線の4万5000ドル(約500万円)を上抜ければ、いよいよ本格的な上昇トレンドが発生する可能性が考えられる。

画像:Shutterstock