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韓国、新制度により半数以上の暗号資産取引所が停止か廃業へ

韓国の法改正を受け、同国で暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する事業者の半数以上は営業停止か廃止に追い込まれることが明らかになった。24日、日本経済新聞などが報じた

報道によると、韓国にある60以上の取引所のうち、半数以上は韓国金融情報院(KoFIU)への登録に必要な認証を受けておらず、営業中止や廃業に追い込まれる。

韓国では3月に施行された特定金融情報法(特金法)の改正により、暗号資産交換業者は政府に事業登録の申請を行う必要性が生じた。またマネーロンダリング対策の一環として、暗号資産取引所は銀行と提携し、実名口座を連携しなければならない。

登録期日である9月24日までに手続きを行なっていない暗号資産取引所は、サービスを継続して提供した際に罰金が科せられるため、実質的に停止することになる。さらに登録の届出を出したとしても、銀行との提携が行えなかった場合にはウォン建での取引を行うことができなくなる。

登録には以下3つの条件を満たす必要がある。

  • 情報セキュリティー認証の「ISMS」取得
  • 入出金が実名確認できる口座開設の確認
  • 役員の法令違反がないこと

韓国政府によると、期限である24日までに申告を行なった企業は暗号資産交換業者などを含む33社あるという。そのうち、上記3つの条件を満たした暗号資産交換業者は、Upbit、Bithumb、Coinone、Korbitの大手4社のみとのことだ。

規制当局は暗号資産取引所の営業停止および廃業に伴う投資家への被害は限定的と説明している。

すでに一部の暗号資産取引所はウォン建での取引を終了し、銀行との提携が完了するまで暗号資産の通貨ペアのみの取引を提供すると発表しているが、事業継続の厳しさを指摘する見方もある。

一方、高麗大の金炯中(キム・ヒョンジュン)暗号貨幣研究センター長は、「投資家の被害規模は4兆ウォン(約3,750億円)程度になる」との見解を示した。また、資本市場研究院の金甲来(キム・ガブレ)金融消費者保護研究センター長は法改正について「投資家保護の側面で適切な措置だ」と評価した。

しかし、「取引の透明化には肯定的だが、政府の規制で競争力は低下する。韓国が暗号資産の『ウォール街』になる可能性は遠のいた」とも語っている。

画像:Shutterstock