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韓国政府、暗号資産関連企業にマネロン対策を義務化

韓国の金融委員会(FSC)が暗号資産サービスプロバイダー(VASP)に対してマネーロンダリング対策(AML)を義務付ける改正法令が韓国政府によって承認されたことがわかった。

この改正法により、韓国の暗号資産サービス事業者は韓国金融情報院(KoFIU)に事業登録をする必要があるほか、同機関に対して顧客の身元確認や疑わしい取引の報告、ユーザー同士の取引を詳細に記録する等の義務が生じる。さらに、顧客資産を別口座で管理することも要項に含まれている。

なお、FSCが定めるVASPは暗号資産の売買や交換・譲渡、保管・管理、仲介・斡旋などを行う暗号資産取引サービス事業者としており、ここにはカストディ業務を行う事業者やデジタルウォレット事業者も含まれる。

この改正法令は今年3月25日に発効される予定で、韓国のVASPは9月24日までにKoFIUに事業登録をする必要がある。また、改正法令が施行されるのは1年後となっている。

もし期日までに登録をせずサービスを提供し続けた場合には罰則が科せられる。

この法的枠組みは国際的な規制機関である金融活動作業部会(FATF)が定めた国際基準「トラベル・ルール」に準拠したものとなっており、今回の改正法令を受けて韓国のAML・CFT体制が一層強化されたことになる。

韓国政府は昨年11月に暗号資産のAML対策に関する改正法案を提出している。その後、今年3月5日に改正法が国会で可決されたことを受け、同月17日の閣議で改正法を承認した。

この改正法令が発効されることで韓国における暗号資産を取り巻く環境整備がまた一段と進んだことは確かだ。さらに国際基準であるトラベル・ルールに準拠していることから、透明性の向上にもつながるだろう。

韓国では暗号資産の法整備が様々な方向から進められている。特に暗号資産取引による利益への課税については議論が重ねられてきた。

その結果、暗号資産への課税を含む改正税制が施行されることになったが、税務申告やその他インフラ整備の遅れ等を理由に2023年へと延期された。

この改正税法では、暗号資産取引によって生じた利益が250万ウォン(約24万円)を超えた際に、20%の分離課税を課すとしている。

画像:Shutterstock