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豪銀「暗号資産はCBDCより利用される可能性がある」と指摘

オーストラリアの投資銀行であるMacquarieがレポートで、ビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)が決済手段として広く普及した場合、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)よりも利用される可能性があると指摘した。

Macquarieはその理由として、現在CBDCの開発状況が遅れをとっており、暗号資産の普及速度と比べると劣っている点を挙げた。

現状、CBDCを用いた決済が実現する前に暗号資産決済が普及する可能性は不透明だとMacquarieは指摘。しかし、先に暗号資産が電子決済で広く使われるようになれば、CBDCよりもスタンダードで、なおかつ需要が継続していく可能性も考えられるとしている。

また、ステーブルコインが暗号資産決済の普及を手助けする可能性もあると付け加えた。

さらに、レポートでは暗号資産の価格推移に関しても触れている。

Macquarieは、暗号資産の有能性を妨げるような規制変更がなければ、ビットコインのように発行上限が設けられている暗号資産は今後1〜2年は上昇していくだろうと考えを示した。

一方で、CBDCに関しては民間パートナーとの綿密な連携が必要になると指摘。しかし、信頼性や安全性、機能性等が担保された状態で提供されれば、暗号資産に取って代わるだけでなく、新たな価値の保存手段を生み出す可能性があると説明した。

現在、世界各国が注目しているCBDCが中国のデジタル人民元だ。

Macquarieはレポートで、このデジタル人民元が2021年中に発行される可能性はあるが、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)といった中央銀行によるCBDC発行は少なくとも2022年まではないだろうと分析している。

また現在、米国では暗号資産に関して非常に厳しい規制を敷いており、それがエコシステムの構築を抑制していると指摘。

しかし結果的にこの行動は暗号資産のネットワークをより効果的にするもので、暗号資産の実用性と受容性が高まり、法定通貨を用いた決済の一部の需要を損ねる可能性があると語った。

画像:Shutterstock