2020.12.14
国立大学法人室蘭工業大学は11日、カンボジア工科大学(ITC)、Ed Muse株式会社とグローバル産学連携によるブロックチェーンプラットフォームの協働研究を開始したことを発表した。
今回の共同プロジェクトには、日本におけるIT人材不足という深刻な社会問題を解決するためにEd Museが海外で手掛けている「IT人財開発プログラム」をITCにも提供している背景がある。
Ed Museはブロックチェーン技術を活用し、企業向けに様々なサービスを提供している企業だ。
独自開発したブロックチェーンプラットフォーム「EDLS」等を活用することで、事業展開の際にボトルネックとなる多種多様な課題をワンストップで解決することが可能になるという。
室蘭工業大学はこれまで、イノベーションの創出につながる研究、地域活性化の拠点として、データサイエンス、データエンジニアリングによるオープンな体制でブロックチェーンに取り組んできた。
今回の協働研究プロジェクトでは、Ed Museが開発した汎用性の高いブロックチェーンプラットフォーム「EDLS」等を活用し、データセンターを進化させるための技術を研究開発していくという。
研究内容は、分散合意アルゴリズム「Raft」をはじめとするコンセンサス・アルゴリズム(ビザンチン耐性)の研究や、ゼロ知識証明の追加実装に関するものとなる。Raftはスタンフォード大学の研究者らによって開発されたアルゴリズムで、ストレージが節約できることや早いブロック生成などが特徴だ。
金融業を筆頭に、幅広い分野でブロックチェーン技術の導入・開発が進んでいる。世界的に注目されている技術である一方、開発できる技術者が少ないのが現状の課題だ。
ブロックチェーン関連企業では、国内だけの人材に囚われず、海外の優秀な人材を囲もうとする動きもある。
海外発のブロックチェーンプラットフォームが多数を締める中、 EDLSは珍しい「メイドインジャパン」のプラットフォームだ。今回の協働研究プロジェクトを通じ、「国産のブロックチェーン開発」が促進されることに期待したいところだ。
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