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ロシア首相、暗号資産法規制に対し前向きな言及

ロシアのMikhail Vladimirovich Mishustin首相は、26日に開催された政府会議で、国内の新産業成長を促すため、暗号資産(仮想通貨)ユーザーを保護する必要性を表明した。

Mishustin首相は、国民が暗号資産に対し高い関心を持っていることを認め「政府は暗号資産市場を文明的な方法で発展させることを計画している」と述べた。

また暗号資産ユーザーの「権利と利益」を保護し、詐欺などの違法行為を防ぐことを目指すとした。

さらにMishustin首相は、同政府会議で「ロシアの税法を改正し、暗号資産を財産として認め、ユーザーが違法行為の犠牲になった場合は、法廷で救済を求めることができるようにする」と、暗号資産を法的に「財産」として認めることを言及した。

同氏は10年間ロシアの連邦税務当局を率いた後、2020年の1月にロシア政府の首相に任命された人物だ。

就任の際には「ロシアは近代IT整備を整えるべき」と主張し、デジタル経済プログラム発展の必要性を訴えていた。

長年、連邦税務当局を率いてきたMishustin首相が暗号資産を法的財産として認める方針を言及した意味は大きい。

これまでロシアでは暗号資産に対する確固とした法的根拠がない現状が続いていた。

現在、ロシア政府内でも暗号資産についての評価は一致していない。同国の経済開発省は過剰な規制はロシア経済にとって損失になると主張する一方、ロシア中央銀行は暗号資産に対し「民間の暗号資産は法定通貨と同一視できず、法的なものにはなり得ない」と批判的な態度を取ってきている。

ただ、ロシア中央銀行のElvira Nabiullina総裁は今年10月、同国の中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)にあたる「デジタル・ルーブル」の発行については「非常に現実的だ」と語り、2021年末から実証実験を開始する可能性を言及した。

今回のMishustin首相が暗号資産を財産として認める方針の発言や、Nabiullina総裁のCBDCについての発言を見ると、デジタル通貨後進国と言われるロシアも暗号資産、CBDCについて態度を軟化してきた可能性がうかがえる。

画像:Shutterstock