2018.11.22
Bitcoin ABCコミュニティは20日、ソフトウェアのアップデート版となる「Bitcoin ABC 0.18.5」をリリースした。
今回のアップデートでは、ブロックチェーンの再編成(Reorg)を防ぐ機能「Reorg Protection」(リオーグ・プロテクション)が盛り込まれている。
Bitcoin ABCブロックチェーンはその仕組み上、より長いチェーンが発見された場合には短い方が破棄され、長いチェーンが正統なブロックチェーンとなる(再編成される)が、Reorg Protection機能によって、設定値以上のブロックの再編成を防ぐことが可能だ。
ゆえに、設定値よりも前に作成されたブロックはくつがえらない。
なお、この値はノードによって任意で設定することができ、初期値は10ブロックとなっている。
ビットコインキャッシュは先週ハードフォークし、Bitcoin ABCとBitcoin SVという2つの仮想通貨および開発コミュニティに分裂したが、Bitcoin ABC側のアップデートが物議を呼んでいる。
ハードフォークとは、互換性のないアップデートを実行することで生じるブロックチェーンの枝分かれのことだ。
先週のハードフォーク後、Bitcoin SV側がBitcoin ABCに対する攻撃を示唆していたため、今回のBitcoin ABCのアップデートはその脅威への防衛策だと考えられる。
しかし、Reorg Protection機能の設定値が任意であることが新たなリスクを生むこととなった。
理論上、異なる設定値のノード群が出現すると、設定値の差分だけチェーンの内容が異なって互換性がなくなるため、ハードフォークすることになる。
ゆえに、今回のアップデートでBitcoin SVからの攻撃リスクによる混乱は終結したが、Bitcoin ABCが安定的に稼動するかはもうしばらく様子を見た方が良いだろう。