2018.09.05
南イタリアの最大都市・ナポリのデマジストリス市長は、ナポリ市独自の仮想通貨を発行すると公表した。
市長は、イタリアの中央政府による「強奪」や「腐敗」した通貨であるユーロに対する対抗手段、代替手段として、仮想通貨に期待が高まっているとしている。
ナポリ市が発行予定の独自通貨の詳細は未定なものの、「ローマの権力者たち」から南部を解放し、団結せる手段の一環として、ナポリに政治的、財政的な独立をもたらす計画として掲げられるという。
ナポリ市では以前からブロックチェーンを使って観光業にイノベーションを起こし、これまでの経済システムから脱却しようという声が上がっていた。
ナポリ市長は、仮装通貨発行の決断の理由として、イタリア国内では「南部に対する(経済的な)差別意識が強い」と政府を批判。
ユーロでは無い独自通貨を発行することで、経済的な独立を目指すとしている。
ナポリの独自通貨は、ブロックチェーンの特徴である「非中央集権」型の性質を利用することで、地方自治体の経済が中央集権に依存しない役割を果たすことが可能なのか注目が集まる。
今回のナポリ市のケースが成功すれば、世界各国で政府の汚職や腐敗等で国家に不満を抱く地方自治体が次々と独自の仮装通貨を発行し、独立の機運も高まっていく可能性も考えられる。
これまで投機的な存在として捉えられていた仮想通貨が、実需を伴った存在に拡大していく日も近いのではないか。